【RV編】025 歪み

（ハル君もダメだった・・・）

（アタシがゾンビやパパラッチに困っていても、ハル君は何も知らないまま寝ていた。
どんなに想っていても自分とは関係ない人生を送っている。
現実を突き付けられたの。そこで気持ちが冷めていった。）

（寝ているハル君を見ていたら苛立ってきたわ。
アタシのことを全く意識してない様子は見ているだけで不愉快。
リア君に似てるから新しい恋ができそうだと可能性を感じた。けど期待するんじゃなかった。）

（また、好きな人を諦める。何度目だろう。
どうしてアタシは報われないんだろう。こんなに想っているのに。
相手のことでいっぱいなのに、誰も気付いてくれない。）

（ううん、気付かれないのは仕方がないのよ。
片想いなんだもの。相手がアタシの気持ちを知らなくて当然じゃない。）

（・・・当然なのに、どうしてこんなに不満ばかりなの。
片想いだからいけないんだろうか。
じゃあ両想いになればいい？アタシは誰かと両想いになりたいの？）

（というか、両想いって何かしら。

相手が自分を想ってくれる？好意を示してくれる？

お互いに好き？）

（自分を好きでいてくれる人と、どう接すればいいのかしら。

アタシ、結構不安定だから、常に相手に応えるのは難しいと思うんだけど・・・。

ずっと同じ気持ちを維持できるのかしら。関係を保っていられるのかしら。）

（そもそもアタシの本命はリア君なのよ。それ以外の人とだなんて、想像できない。

リア君なら、ずっと想っていられるし、大事にしてくれそうなのに・・・。）

（アタシが本当に欲しいものは手に入れることが難しい。孤独で辛くても仕方がない。
苦しいけど、我慢できるわ。このまま誰でもいいから想っていたいの。見てるだけで幸せだから。
気付かれなくてもいい。誰かを好きでいられれば、それで充分。）