11/12/2016

【AC編】001 リアのいる街へ


弟への失恋から逃げて
長い時間、リバービューを旅してた。

誰でもいいから、慰めてくれる人を探して。
弟のことを忘れさせてくれる人を求めて。





だけど結局誰と出会っても忘れることはできなかった。

他の男に片想いすることで一時的に辛さを忘れることはできたけど
本当に欲しいものは手に入らなかった。
ありのままの自分を受け入れて満たしてくれる人が。




寂しさは増すばかり。

いつの間にか失恋の痛みが自分の心を満たすものになっていた。
弟が違う形で満たしてくれているように感じた。

このまま彼が与えてくれた痛みに浸っていたい。




彼から受けた苦しみと一緒に死ねたらいいのに。




(綺麗。)




どれくらいの期間、一人でいたのだろう。
旅に出る前と何も変わらない。
自分は傷付いたまま孤独なのだ。




(リア君に責任を取ってもらわなくちゃ。)

“こうなったのは貴方のせい。”
全部彼に背負ってもらおう。
そうすれば彼のことを完全に諦められるかもしれない。




これから彼に会いに行く。
自分がちゃんと前を向いて歩いて行けるように。